医療機器創出における人材に係る課題: |
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ハイブリッド医療人が不足している |
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1823年に来日したシーボルトは長崎の出島でオランダ医学を基礎に多くの手術器具を使って外科治療を行いました。当時使用された手術用器具は全国から集まった彼の弟子たちによってより良いものに改良され、現在もその原型をとどめる形で医療の現場で使用されています。その一方で、近代医学においては、電気メスや超音波メスなど医療機器に工学的技術を加えた先端医療機器が開発され、医療の発展に貢献してきました。しかしながら、それらの多くは欧米で研究開発商品化され本邦に導入されたものです。 内視鏡手術や移植再生医療など高度な治療技術を要する医療がグローバル化してきた現在、本邦の工学技術と日本人特有の細やかな感性を生かし、欧米を凌ぐより良い医療機器を改良、開発することが求められています。そのためには、日本における西洋医学の基盤を築いた出島の外科医とその弟子たちが、高いモチベーションを持って医療機器の改良に邁進した当時の出島マインドを呼び起こすことが大切です。 本邦において今後、革新的な医療機器を生み出していくためには、この出島マインドを持ち、医療現場ニーズと研究シーズの融合を念頭に入れたうえで、新しい発想で医療機器開発ができる知識と能力を備え、研究から事業化への橋渡し、ひいては地域ものづくり産業振興にも貢献できる人材、すなわち、医療ものづくりのあらゆる段階で主導的な役割ができるハイブリッド医療人の養成が必要なのです。 |
医工連携教育に係る課題: |
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医工双方に魅力ある教育プログラムとは? |
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ハイブリッド医療人養成のためには医工双方に魅力的な学部教育、大学院教育、地域社会との連携の構築が重要です。そのためには、これまでの医工連携教育とは異なる、学部・研究科の垣根を越えて互いの強みや特色を理解し合うことができる斬新な教育改革が求められています。すなわち、医療ものづくりへのモチベーションを高める共同教育を産学官連携の実績を生かしながら実践すること、医工双方のキャリア形成に有利な教育プログラムを確立すること、さらに、医工連携能力を培われた人材が地域社会とのイノベーション交流や情報交換に積極的に関与し、実用と研究の橋渡し役を地域社会において担うことを目指した環境整備をすること、が重要です。 そこで、本プログラムでは、先進的な医療と機械・電子工学分野の高い技術を生かし、学生・教員相互乗り入れ型の医工連携教育によりハイブリッド医療人を養成します。 まず、学部教育では医療ものづくりマインド育成カリキュラムによる医・工学部生の臨床先端医療機器体験実習や両学部研究室でのリサーチセミナーを実施します。 次に、医歯薬学総合研究科にハイブリッド医療人養成コースを新設し、産学の講師陣による実践教育と3Dプリンターを用いた医療機器の企画、試作機制作や評価、海外産学連携施設での短期研修等を行います。 |