この度、平成25年度文部科学省未来医療研究人材養成拠点形成事業(A)に於きまして、本研究科から提案しておりました「医工の絆」ハイブリッド医療人養成コース~出島マインドで医療ものづくり~が高い評価で採択されました。このコースは、医歯薬学総合研究科教員と工学研究科教員の密接な協調関係を基盤に提案されたものであります。即ち、外科手術器具を始め様々な医療機器が、嘗て本邦に於ける西洋医学教育の創始者ポンペ・ファン・メールデルフォールト先生や出島のオランダ商館医などにより紹介され、それが広く日本国内に伝播され基本形を維持したまま150年を越え現在に至っています。そこで今回、当時「出島」で様々な先端機器に接して覚えたであろう興奮を覚醒させ、現在の医療の現場のニーズを最大限反映し機器を改善する、言わば「不便を形に」する長崎型機器の開発研究を行うコース創設を提案した次第です。本コースは、医歯薬学総合研究科医療科学専攻に開設され、ここでは医学部出身者と工学部修士課程出身者が臨床現場への参入も含め同じ教育を受けることになっています。一方で、医学系出身学生と工学系出身学生のそれぞれが強みを生かし協調して新たな機器の開発研究を手掛けるもので、最終的には医学博士と工学博士をほぼ同時に取得出来る、本邦においてこれまでに無い制度設計を実現しております。このようなコ-スの創設により、学問の境界領域で活躍出来る新たな能力を持つ人材を輩出し、特に医療分野に於いて長崎地域の一層の産業振興と経済の活性化促進がもたらされ、ひいては日本国での医療工学の飛躍的な発展に寄与出来ます事を強く祈念致しております。各界からの暖かいご支援、ご協力を何卒宜しくお願い致します。 |