教育力と研究体制により
国際的なリーダーを
育成することが我々のミッション
長崎大学長 片峰 茂
いま、人類は新たな感染症の脅威に直面しています。新しい感染症「新興感染症」の出現です。この30年でエイズ、重症呼吸器症候群(SARS)、牛海綿状脳症(BSE)、高病原症インフルエンザなど多くの感染症が新たに出現し、私たちを恐怖に陥れています。また、アジアやアフリカの途上国では寄生虫病、マラリア、下痢症など古くからある熱帯病が依然として猛威を奮い、乳幼児を中心に多くの人々が犠牲となっています。世界保健機関(WHO)はリーシュマニア症やデング熱などの熱帯感染症を特に「Neglected Tropical Diseases (NTDs;顧みられない熱帯病)」と呼び、各国に対策への協力を呼びかけています。
長崎大学は、2000年に大学院博士課程新興感染症病態制御学系専攻を設置し、熱帯・新興感染症の教育・研究に関わる教授陣を増強して海外機関との連携を強化してきました。熱帯医学研究所が「熱帯・新興ウイルス感染症に関する」WHO研究協力センターに指定されていることに加え、ケニア共和国とベトナム社会主義共和国に本学教員が常駐する研究施設を開設するなど、アフリカ・アジアでの教育、研究インフラ整備も急速に進めています。
熱帯病・新興感染症制御グローバルリーダー育成プログラムにおいては、本学の卓越した教育資源を活用したカリキュラム編成と充実した研究体制により、課題解決のために地球規模の視野を持ち国際的なリーダーとなりうる、実践力のある専門家人材の育成を目指します。