HOME > 海外感染症拠点

長崎大学ケニア・ベトナム拠点 海外感染症研究拠点

新しいプロジェクトに取り組む
グローバルに拡がる長崎大学のフィールド

長崎大学はケニア共和国とベトナム社会主義共和国に大学教員が常駐する研究施設を開設し、熱帯地域における研究を先端化させるとともに、熱帯医学修士課程や国際健康開発研究科の教育・人材育成に活用してきました。2011年には両海外拠点に駐在する教授が大学院生を指導することを可能とし、大学院生がより長期にわたり、熱帯病の流行地でフィールド研究を行うことができる体制を整備しました。

長崎大学アフリカ拠点
長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点

ナイロビ地図

ナイロビに本拠地を構え、
周囲にフィールドステーションが点在する

ナイロビオフィス

ナイロビオフィス

ケニア拠点は、2005年から熱帯医学研究所とケニア中央医学研究所(KEMRI: Kenya Medical Research Institute)との共同研究プロジェクトとして活動を開始しました。2010年からは文科省特別経費(熱帯病・新興感染症・疫学研究プログラム-アフリカと日本を結ぶ教育研究体制の構築-全国共同利用・共同実施分)による共同研究を実施しています。この事業はアフリカに開設したケニア研究教育拠点を充実強化し、公募研究者と協力して熱帯病・新興感染症の予防治療に資する研究を行うと共に人材育成を行う事が目的で、現在、千葉大学・大阪市立大学・藤田保健衛生大学・長浜バイオ大学等との共同研究が進められています。

長期的・継続的研究、社会還元を行うためのフィールド活動の運営

ビタ研究棟

ビタ研究棟

具体的には、ナイロビのP3ラボを始めとする研究室の整備、遠隔地である西ケニアのビタや海岸地区のクワレのプロジェクトサイトの整備を行い、これらのフィールドでの人口静態動態調査システム(HDSS: Health and Demographic Surveillance System)を稼働させ、ビタではマラリア伝搬蚊を定期的に収集、分析するシステム(MSS: Mosquito Surveillance System)を稼働させています。さらに同地域では学校保健に焦点を当てた草の根技術協力事業を導入し、地域の公衆衛生推進活動も実施しています。

熱帯病研究

調査の様子

現地スタッフとともにHDSS
(人口静態動態調査システム)の
構築作業を進める長崎大学教員

2012年度からは、SATREPSプロジェクト(ケニアにおける黄熱病およびリフトバレー熱に対する迅速診断法の開発とそのアウトブレイク警戒システムの構築)および科学技術戦略推進費のマルチプレックスによる血清疫学プロジェクトを含め、熱帯感染症関連の10グループがその研究活動を実施しています。

教育プログラム

教育プログラムとしては、長崎大学の博士課程学生や国際健康開発研究科の修士課程学生を拠点に受け入れ、熱帯医学あるいは国際保健に関する研究を行っています。ケニアからはJSPSのRONPAKU事業(アジア・アフリカ諸国の優れた研究者が、日本の大学において大学院の課程によらず論文提出によって博士の学位を取得できるように支援するプログラム)を活用する学生やMTMの修士学生を熱帯医学研究所に送っています。また他大学の医学部等の学部学生を受け入れ、熱帯医学に関する実地研修を行っています。
 また2010年からは熱帯医学研究所のみならず、長崎大学の歯学部、水産学部、工学部、医学部保健学科などの学部がケニアでの研究活動に参入できるようにアフリカ拠点を設立し、研究の活動分野の枠を拡大しているところです。
 今後は多国間協力を視野に入れ、衛生昆虫学分野でマラウイへもその研究の枠を広げ(JICA-JSPSプロジェクト)、現在、南アフリカにも活動を拡大しています。

クワレ研究棟

クワレ研究棟

P3ラボ(ナイロビ)

P3ラボ(ナイロビ)

長崎大学アフリカ拠点/長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点 サイトへ

長崎大学熱帯医学研究所 ベトナム拠点

ハノイ本拠地とニャチャンに分室を構える

ハノイ本拠地とニャチャンに分室を構える

ベトナム国立衛生疫学研究所(本館)

ベトナム国立衛生疫学研究所(本館)

長崎大学ベトナム拠点は文科省委託事業の新興・再興感染症研究拠点形成プログラムの一環として2005年度、長崎大学熱帯医学研究所とベトナム国立衛生疫学研究所(National Institute of Hygiene and Epidemiology, NIHE)との協力の下、NIHE内に設立されました。日本とベトナムの研究者が様々な研究を展開しています。

研究活動

ベトナム拠点では下痢症研究グループ、蚊媒介性ウイルス感染症研究グループ、臨床研究グループ、人獣共通感染症研究グループがベトナムの特色を生かした研究活動を行っています。

トナム国立衛生疫学研究所内ハイテクセンター

トナム国立衛生疫学研究所内
ハイテクセンター

センター内ラボ

センター内ラボ

・下痢症研究グループ

ロタワクチン介入と下痢症病原体の変化、生態系におけるコレラ菌と分子疫学、下痢症細菌における人獣インターフェイスを主な研究テーマとしています。

・蚊媒介性ウイルス感染症研究グループ

デングウイルス準種の解析、蚊媒介によるデング熱流行発生メカニズムの研究、蚊媒介ウイルスの長期観測、原因不明季節性脳炎の研究、日本脳炎ウイルスの長距離移動のメカニズムの解明を主な研究テーマとしています。

・臨床研究グループ

呼吸器感染症ワクチン介入研究、バースコホート研究、デング重症化の免疫遺伝学解析、不明熱の網羅的解析を主な研究テーマとしています。

・人獣共通感染症研究グループ

コウモリ伝播ウイルス研究、狂犬病の分子疫学研究、ハンタウイルス疫学研究、鳥インフルエンザ臨床介入研究、鳥インフルエンザ疫学研究を主な研究テーマとしています。

ニャチャン分室

キャプキャプキャプキャプ

長崎大学ベトナム拠点は、長崎大学フィールド臨床疫学の活動拠点として、2006年7月にベトナム中南部ニャチャンにあるカンホア県保健局内に長崎大学分室を開設しました。
 2009年からは小児科医を現地へ長期派遣し新生児の死亡原因の調査を開始しました。

長崎大学熱帯医学研究所ベトナム拠点 サイトへ

ページの先頭へ

superior

  • 熱帯病・新興感染症研究の取り組み
  • スペシャルインタビュー“長崎大学の研究者たち”
  • 海外感染症研究拠点
  • 長崎大学 in GLOBAL!国際社会で働く
  • 関連機関リンク
  • 長崎大学
  • 長崎大学 熱帯医学研究所
  • グローバルCOEプログラム
  • 21世紀COEプログラム